2015.12.27
鍛えぬいた救助技術、強靭な精神力を昇華する。-第44回救助大会-入賞者コメント紹介
各競技にて入賞された選手の皆さんのコメントを紹介します。
■ ロープブリッジ渡過
水平に展張された渡過ロープ20m(往復40m)を、往路はセーラー渡過、復路はモンキー渡過で渡る。ロープ渡過の基本的な訓練。
【入賞】
藤沢市消防局 / 神奈川 / [副士長]橋本翔吾(27)
■ タイム:15.75秒 (標準所要時間 28.0秒)
6年目でやっと掴んだ日本一!今までサポートしてくれた先輩、後輩、上司のみなさんのおかげだと思ってます!!個人種目ですが、みなさんナシではこの結果はありません。本当にありがとうございました。この結果を糧にして、これからも市民の皆様の安心・安全を第一に頑張ります!!神奈川セーラー、ここにあり!!
■ ほふく救出
3人1組(要救助者を含む)で実施し、一人が空気呼吸器を装着して長さ8mの煙道を検索し、要救助者を屋外に救出した後、2人で安全地点まで搬送する。ビルや地下街などで煙にまかれた人を救出するための訓練。
【入賞】
春日井市消防本部 / 愛知 / [士長]伊藤孝徳(30) [士長]伊尾木貴博(30) [士長]後藤恒規(31)
■ タイム:33.65秒(標準所要時間 70秒)
ほふく救出訓練は、確実さとパワーが必要でミスが許されない繊細な競技です。3年間思うような結果が出せず最後と決めて出場した救助大会。結成4年目にして初めて出場した全国大会で1位を獲ることができました。全国大会に出場するまでの4年間は隊員1人1人が同じ目標に向かって一丸となり、訓練に励んできました。簡単な道のりではなく、苦しく厳しい訓練の日々が続きましたが、このような結果に結びつけたことを非常にうれしく思います。この結果に満足することなく、今回の結果は長い消防人生の1つの通過点と考え、今後の消防業務をがんばっていきたいです。最後に、訓練にご協力していただいたすべての皆様、また、家族に感謝したいです、本当にありがとうございました。
■ 引揚救助
5人一組(要救助者含む)で、2人が空気呼吸器を装着して塔上から塔下へ降下し、検索後、要救助者を塔下へ搬送、4人で協力して塔上へ救出した後、ロープ登はんにより脱出する。地下やマンホール等での災害を想定した訓練。
【入賞】神戸市消防局 / 兵庫 / [士長]岩本穂(25) [士長]古川誠(30) [士長]宮本佳一(31) [指令補]伊関将司(35) [指令補]広内実(41)
■ タイム:76.65秒 (標準所要時間 150秒)
地元開催の今年、施設の設営に携わってくれた方々、当日の運営に携わってくれた方々、我々に全国という最高の舞台を作りあげてくれた全ての方々に先ずは厚く御礼申し上げます。チームの5人全員がその苦労を知り、その苦労に報いるために努力し、そして最後の最後、本番が始まる直前に笑顔でスタートラインに立てたことが日本一になれた最大の勝因だと思っています。常に感謝の気持ちを忘れずに、自分の仕事を全うする。最高の仕事をするために最高の準備をする。引揚救助を通じてこれらの習慣が身につきました。日本一になれたという経験と自信をこれからの消防人生に活かしていきたいと思います。みなさん、神戸までお越し下さり本当にありがとうございました。
■ はしご登はん
自己確保の命綱を結索した後、垂直はしごを15m登はんする。災害建物への進入等、消防活動には欠かせない訓練。
【入賞】流山消防本部 / 千葉 / [士]大崎洋平(25)
■ タイム:13.605秒 (標準所要時間 24秒)
全国優勝を目標に訓練をしてきて、昨年度も全国大会への出場を決めていましたが、残念ながら中止となってしまい、今年ついに念願が叶って嬉しく思います。これも最高の指導者やライバル、補助者たちの存在があったからこそだと思い、とても感謝しています。来年も別の種目で全国優勝できるように、体をイジめ抜こうと思います。
■ ロープブリッジ救出
4人1組(要救助者を含む)で実施し、2人が水平に展張された渡過ロープ(20メートル)により対岸の塔上へ進入。要救助者を救出ロープに吊り下げ、けん引して救出した後、脱出する。建物や河川の中洲等に取り残された要救助者を救出することを想定した訓練。
【入賞】入間東部地区消防組合消防本部 / 埼玉 / [士]吉野眞誠(25) [副士長]竹内秀典(30) [士長]遠山毅(35) [士]山田啓太(28)
■ タイム:44.10秒 (標準所要時間 75秒)
今回初めての全国大会、また、西日本の地で日本一になれたのも応援してくれた方々や支えてくれた家族、入間東部ブリッジ救出の関係者の方々がサポートしてくれたからだと思っています。
このチームは救助隊と消防隊の混合ですが、いつも仲が良くチームワークがとても良いです。そして、過去に経験した悔しい思いをバネに絶対に負けないチームを目指してきました。ミスは全員でカバーし、誰がどこで失敗しても同じタイムが出せるのはこのチームの強みでした。大会当日もミスが多く出た中で最後まであきらめなかったことがこの結果につながったと思います。
また、当消防組合からは19年ぶりの出場でしたので、入間東部のブリ救を全国に知ってもらえることができてとても嬉しく思います。
来年は、全国大会2連覇、大会記録更新を目標に絶対に全国大会へ帰ってきます。
■ ロープ応用登はん
登はん者と補助者が2人1組で協力し、資機材を使わずに塔上から垂下されたロープを15m登はんする。登はん者の腕力だけでなく、補助者との呼吸が重要なポイントとなる。
【入賞】須賀川地方広域消防組合 / 福島 / [士]根本晃宏(27) [士]二瓶匡史(23)
■ タイム:9.15秒 (標準所要時間 標準16秒)
私たちは結成1年目ということもあり、訓練開始当初は息が合わず苦しい日々が続きました。しかし、全国大会出場という目標に向かい諦めることなく訓練に励み結果を出すことができました。多くの方々の支えがあったからこそこのような結果が出せたと思っています。今後は、感謝の気持ちを忘れず、救助訓練を通して学んだことを業務に反映し、地域住民の期待に応えられるよう努力していきたいと思います。
■ 障害突破
5人1組(補助者を含む)で4人が緊密なる連携の下、一致協力して「乗り越える」 「登る」 「渡る」 「降りる」 「濃煙を通過する」という基本動作により5つの障害を突破する。災害現場のさまざまな障害を想定し、いかなる状況下においても対応することを目的とした訓練。大会の花形種目。
【入賞】柏原羽曳野藤井寺消防組合消防本部 / 大阪 / [士長]松谷潤(32) [士長]村木康幸(29) [士]松井数磨(25) [士]関杉勇佑(23) [指令補]松井隆一(36)
■ タイム:88.05秒 (標準所要時間 195秒)
私たちは結成2年目のチームであり、結果を求められる指導会でありました。その中で、地区指導会1位、全国大会1位になれたのは、結果に対する執着心がどのチームよりも強かったこともありますが、ご指導いただいた方々のおかげだと思っております。
本来救助隊の目的は、災害現場での人命救助であります。これからも、どの様な災害にも対応できるよう日々精進し、訓練に励んでいきたいと思います。
今まで支えて下さった職員の方々、家族に感謝の気持ちでいっぱいであります。ありがとうございました。
■ 溺者搬送
水中の溺者を救助者1名で救出する基本的な水難救助法。救助者が「じゅんか飛び込み」で入水後、20m先の溺者を注視しながら近づき、チンプールで確保した後、ヘアーキャリーによって救助する。
【入賞】上尾市消防本部 / 埼玉県 / [士長]及川啓(30) [消防士]辻茉友子(24)
■ タイム:25.73秒 (標準所要時間 43秒)
溺者搬送に出場して3年目。去年までは関東大会止まりで、上尾消防として全国大会出場を目標にしてきました。しかし今年は「日本一」というレベルを上げた目標を掲げ、年間を通してチームとともに切磋琢磨し、1日1日悔い残らない訓練とトレーニングを行ってきました。バディとの搬送訓練は数えきれないほど実施してきましたが、全国大会本番で今までで1番キレイにそして速く搬送することができ、その結果「日本一」になれたことが本当に嬉しく思うと同時に、プレッシャーから開放され安心できました。
ここまで頑張れたのも職場の方々とチームの仲間、家族の理解、支えがあったからであり、訓練に集中し最高の結果に繋がったと思います。応援して下さったすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。