公開日 2025.9.18 / 更新日 2025.9.17
第53回全国消防救助技術大会in神戸 2025 ナンバーワンTシャツ獲得選手の紹介

大きな盛り上がりをみせた第53回全国消防救助技術大会 in神戸。
今年は阪神淡路大震災から30年という節目であり、この年に兵庫県で開催されたことは大きな意味があったと思います。
出場選手・関係者だけでなく、一般来場者も多く会場へ訪れており、あらためて兵庫県における防災や消防への関心の高さを実感しました。
今後、この大会をきっかけに多くの方が防災や消防への興味関心を高め、安全な街作りにつながることを願っています。
そして、今年も全国各地から各種目にて最高峰レベルの猛者たちが集い、熱戦を繰り広げました。
シグナルでは、今年もレベルの高い全国大会において、入賞したチーム・選手の中で最速タイムを記録された方々に敬意の気持ちを込めて「ナンバーワンTシャツ」を贈呈しました。
本記事では、ナンバーワンTシャツを獲得された方からいただいたコメントをたっぷりご紹介します。
※掲載許可をいただいた方のみのご紹介になります。

ほふく救出
3人1組(要救助者を含む)で実施し、一人が空気呼吸器を装着して長さ8mの煙道を検索し、要救助者を屋外に救出したあと、2人で安全地点まで搬送する。ビルや地下街などで煙にまかれた人を救出するための訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 32.4秒 ※標準所要時間:1分2秒 |
都道府県 | 大阪府 |
所属本部名 | 八尾市消防本部 |
出場者名 | [消防士長] 篤山 大洋(31) [消防士長] 田中照浩(31) [消防士] 中村 大明(27) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 最高にうれしく、まわりの支えてくれた方に感謝の気持ちでいっぱいです。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 何時も最後まで気を抜かずできることはすべて取り組むという意識で訓練していました。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. 私たちを指導してくださった方々の指導レベルはまちがいなく日本一であると常に実感しています。また他市の方々からも指導いただき、まわりとのつながりは大事だと思いますし、今後も大切にしていきます。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 消防の聖域です!

ロープブリッジ渡過
水平に展張された渡過ロープ20m(往復40m)を、往路はセイラー渡過、復路はモンキー渡過で渡る。ロープ渡過の基本的な訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 17.2秒 ※標準所要時間:28秒 |
都道府県 | 神奈川県 |
所属本部名 | 逗子市消防本部 |
出場者名 | [消防士長] 諸星 大弥(30) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. めざしていた日本一が叶ってうれしいです。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 部分訓練の反復。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. 今まで一番のロープブリッジ渡過でした!やりきった!!
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 最高の場所です!

はしご登はん
自己確保の命綱を結索したあと、垂直はしごを15メートル登はんする。災害建物への進入等、消防活動には欠かせない訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 12.9秒 ※標準所要時間:24秒 |
都道府県 | 大阪府 |
所属本部名 | 大阪市消防局 |
出場者名 | [消防士長] 香川 大也(30) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 嬉しいです。人命救助の次に自分を誇れる瞬間です。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 常に現場活動に通ずる精神で訓練と向き合う。
1回のベストより10回のベターを意識しました。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. ないです。日本中で自分よりこの訓練と向き合った隊員はいないだろう、と自負しています。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 消防士(救助隊員)を志した場所。
人生を変えてくれた場所です!

引揚救助
5人1組(要救助者含む)で、2人が空気呼吸器を装着して塔上から塔下へ降下し、検索後、要救助者を塔下へ搬送。4人で協力して塔上へ救出したあと、ロープ登はんにより脱出する。地下やマンホール等での災害を想定した訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 1分11.5秒 ※標準所要時間:2分9秒 |
都道府県 | 大阪府 |
所属本部名 | 枚方寝屋川消防組合消防本部 |
出場者名 | [消防司令補] 柴田 翔平(38) [消防士長] 大場 将司(27) [消防士] 橋爪 翼(28) [消防士] 山口 直人(29) [消防士] 砂守 卓(25) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 最高です!本当に嬉しいです。また今日まで何不自由なく訓練させていただいた組織の皆さま、指導者の皆さま、チームメイトに感謝するとともに支えてくれた家族に感謝を伝えたいです。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 僕たちは「信じる」ということに重きをおいて訓練してきました。自分を信じる、仲間を信じる、この気持ちがいい結果に繋がったと考えています。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. 仲間を信じて隊員1人1人がチームを支え、またチームに支えられてきましたが、個人の技術はまだまだです。個人のレベルアップはさらに改善できるところだと思います。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 一言で言うと「大人の青春」です。大人になってここまで人を信じるということを真剣に考えることができるのは、救助大会があったからだと思います。このチーム力を市民の方のため、災害現場でも発揮したいと思います。

ロープブリッジ救出
4人1組(要救助者を含む)で実施し、2人が水平に展張された渡過ロープ(20メートル)により対岸の塔上へ進入。要救助者を救出ロープに吊り下げ、けん引して救出したあと、脱出する。建物や河川の中洲等に取り残された要救助者を救出することを想定した訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 44.4秒 ※標準所要時間:1分15秒 |
都道府県 | 大阪府 |
所属本部名 | 大阪南消防局 |
出場者名 | [消防司令補] 丸谷 哲也(32) [消防士長] 外山 正起(32) [消防士] 堂領 仁太(26) [消防士] 水谷 旭(23) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 日本一をめざして訓練をしてきたので、とても嬉しいです。
今まで携わっていただいた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. C塔到着からの流れを重点的に訓練し、日本一美しく速い操法をめざしました。
でもやっぱり一番の訓練は渡り込みです!
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. ないです!必要なことはすべてやって挑みました!
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 日ごろ積み重ねてきた訓練の成果を家族や市民の皆さまに披露することができる重要な場です。さらに、各地区の救助隊員との交流を深められる大切な場でもあると思います。

ロープ応用登はん
登はん者と補助者が2人1組で協力し、資機材を使わずに塔上から垂下されたロープを15m登はんする。登はん者の腕力だけでなく、補助者との呼吸が重要なポイントとなる。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 9.3秒 ※標準所要時間:16秒 |
都道府県 | 兵庫県 |
所属本部名 | 豊岡市消防本部 |
出場者名 | [消防士長] 浅田 清貴(34) [消防士長] 細川 直豊(33) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 今まで積み重ねた訓練成果を発揮でき、うれしく思います。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 毎日の訓練において、常に本番の1本をイメージして訓練に取り組みました。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. 1本目まで2人ともやるべき事をすべてやってきたので、後悔は一切ありません。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 救助隊員としてだけでなく、消防士として自身を成長させてくれるものだと思います。

障害突破
5人1組(補助者を含む)で4人が緊密なる連携のもと、一致協力して「乗り越える」 「登る」 「渡る」 「降りる」 「濃煙を通過する」という基本動作により5つの障害を突破する。災害現場のさまざまな障害を想定し、いかなる状況下においても対応することを目的とした訓練。大会の花形種目。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 1分22.6秒 ※標準所要時間:2分37秒 |
都道府県 | 兵庫県 |
所属本部名 | 伊丹市消防局 |
出場者名 | [消防士長] 屋・ ・・(35) [消防士長] 原田 樹(31) [消防士長] 内藤 太一(31) [消防士長] 本井 郁也(29) [消防士長] 松浦 克輝(29) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. サイコー!!
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. ミスをしない。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. なにもない。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 記憶に残る大会!

基本泳法
「じゅんか飛び込み」で入水した後、常に顔が水面に出た状態で、基本的な泳法である「ぬき手」と「平泳ぎ」でそれぞれ25メートルずつ泳ぐ。水難救助の基本的な泳法を習得するための訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 29.1秒 ※標準所要時間:40秒 |
都道府県 | 大阪府 |
所属本部名 | 大阪市消防局 |
出場者名 | [消防士長] 高瀬 渉(27) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 今年で最後の種目で1番を取れたことは嬉しく思います。
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 日本一努力したと言えるほど、自分を追い込んだこと。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. 緊張感を持って訓練できていると本番も緊張せずにいけると思った。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 輝ける場所!

人命救助
3人1組(要救助者を含む)で救助者が「二重もやい結び」のロープをたすき掛けにして要救助者の位置まで泳ぎ、要救助者をクロスチェストキャリーで確保し、補助者が救助ロープをたぐり寄せて救助したあと、再び水没しつつある要救助者(訓練人形)を水面に引き揚げ、救助する訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 49.6秒 ※標準所要時間:1分13秒 |
都道府県 | 大阪府 |
所属本部名 | 枚方寝屋川消防組合消防本部 |
出場者名 | [消防司令補] 片山 真志(40) [消防士長] 木村 将大(34) [消防士長] 窪田 隆佑(27) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 最高です!!
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. しっかりやる、減点なしにこだわる。
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. チャンピオンになったので、すべてが正解だったと思います。
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 大人の青春。

水中結索
3人1組で水中の結索環に、第一泳者「もやい結び」、第二泳者「巻き結び」、第三泳者「ふた回りふた結び」の三種類のロープ結索を行う。水中におけるロープ結索技術を習得するための訓練。
今大会入賞中、最速タイムおよび記録者
タイム | 66.1秒 ※標準所要時間:1分46秒 |
都道府県 | 兵庫県 |
所属本部名 | 神戸市消防局 |
出場者名 | [消防士長] 南 龍侍(31) [消防士長] 寺田 弘剛(27) [消防士長] 岸田 晃祐(25) |
Q. まずは入賞された今の率直なお気持ちをお願いたします!
A. 超気持ちイイ!
Q. 全国大会出場や入賞に向けて、意識して取り組んだ訓練方法やトレーニング方法は?
A. 確実に結索をする!!
Q. もっとこんな訓練をしておけばよかった、ここはさらに改善できると感じた部分は?
A. 最高の結果でしたので、特にありません!!
Q. あなたにとって救助大会とは?
A. 第二の青春!!
シグナルからのメッセージ
第53回全国消防救助技術大会 in 神戸に出場された全国の救助隊員の皆さま、応援に駆けつけて来られた皆さま、本当にお疲れさまでした。
毎年のことながら、全国の代表隊員による非常にレベルの高い救助技術を拝見することができ、光栄です。
全国救助大会会場では、アツい闘志、歓喜の笑顔そして涙、ぐっとこらえる悔しさ、さまざまな感情が入り混じりながらも、やりきった後のすがすがしい空気感の中、隊員の皆さまの間にうまれた強い絆も垣間見えました。
そして、入賞の中で最速タイムを出された皆さまにおきましては、あらためましておめでとうございます。ささやかな贈り物ではありますが、皆さまにとって大切な思い出となれば幸いです。また、取材へのご協力をいただきまして誠にありがとうございました。
私たちシグナルも次回の2026年度の全国救助大会に向けて、すでに準備がはじまっています。
来年、各地区指導会をはじめ、全国の舞台でもまた皆さまにお会いできることを楽しみにしております!