2017.7.3
メーカー発!こだわりの逸品NEWS【VOL.04】
操法イワマチ根元媒介
実績と経験、そして独自の新しい発想とアイデアを生かした商品開発力。
消防機器メーカーとしての強い使命と、消防現場のリアルな課題に真正面から取り組む株式会社岩崎製作所の渾身の安全機能『イワマチ接手(岩崎式町野接手)』誕生を辿っていく。
より戻し機能付金具『イワマチ接手』が誕生するまで
ホースを狭所で伸展させるとよじれてしまう。言い換えれば、消防ホースの性質上、送水し加圧すれば必ずよじれは生じてしまう。このよじれを放っておくとやがてキンクとなり、送水ができなくなってしまう。そればかりでなく、折れ曲がった箇所に送水圧力が集中してホースが破断する可能性もあり、非常に危険である。よじれが一度生じれば、消火のただなかであろうと消防士自らホースをたぐり、そのよじれを取り除くほかなかった。その際に回転させたホースは地面と擦れて傷んでしまい、ホース寿命を縮める原因にもなる。岩崎製作所の取り組みはこうした消防現場の「常識化してしまった小さな課題」の一つひとつに着目することから始まる。
砂・塵・水をシャットアウトする完全密閉型ベアリング構造を採用
よじれによって激しくのた打つホース内の水圧をうまく逃がすためには、根本の金具から見直す必要があった。水圧が加わると金具同士が圧着固定されるのが通常の差し込み式接手であるが、もしそれが加圧状態でも水流に逆らうことなく滑らかに回転するならば、よじれ及びキンクは軽減できるのではと岩崎製作所は推測を立てる。逆の発想、これまでにない試みとして金具にベアリング構造を採用した。これがのちに消防界を驚かせた『イワマチ接手』の誕生となる。
消防ホースのよじれとキンクを瞬時に解消
現実にはあり得ないほどのよじれをホースに設けて送水検証したところ、『イワマチ接手』を通過した水は筒先を振り回すことなく、真っすぐに瞬間放水された。水圧とともに放水側へと押し出されるはずのよじれがほぼ一瞬で消えてしまったのだ。試作品検証の段階でイワマチ安全(より戻し)機能の有効性は確かなものとなった。当初の課題であったよじれの先にあるキンクの防止、すなわち送水不能を回避するばかりか、『イワマチ接手』はよじれ自体を金具一つで解消してみせたのだ。
メーカーの使命 ~From JAPAN~
「IWAMACHI」の呼称ですでに東南アジアを中心に海外にも広まりつつある『イワマチ接手』。日本が誇る技術で世界の消防金具を牽引するべく双口接手やポンプ元媒介金具などの製品にも『イワマチ接手』の搭載を狙い、岩崎製作所は日々消防現場の声に耳を傾けている。良い商品を開発し続けることが消防士の安全の保障へ直結すると信じ、今後も岩崎製作所の探究は続いていく。