2018.11.26
消防の歴史を築いた懐かしの消防車両
SPECIAL ISSUE CLASSIC FIRE ENGINE by KYOTO CITY FIRE DEPARTMENT
日本の消防車両は自治体消防発足以降、徐々にその台数やバリエーションが拡充していった。今日では多種多様な消防車両が人々の安全で安心な生活を守っているが、そのラインナップの原型が確立したのも自治体消防発足前後の時期といえる。しかし、消防史に残る当時の車両たちの姿は、今となってはなかなか目にすることはできない。ここでは京都市消防局に配備されていた車両を通し、消防車両の歴史を見ていこう。
33メートル大型はしご車(0452)
ブラックマスクのたくましい顔を持つ中京消防署での第2代目の大型はしご車。車体中央部にポンプ部を配し、巻いた長尺吸水管をセットしている。はしご梯体上にはリフターが取り付けられ、搭乗用階段を備える。はしご操作はターンテーブルの右側でおこない、安全上、車体への輻射熱防除用の自衛噴霧放水装置が左右6カ所に設けられている。ルーフ上の長い円筒は泡放射用の長尺ノズルで、すべての大型はしご車にセットされている。
(昭和58年1月撮影)
警防部長車(指揮指令車仕様)
流麗なボディラインの消防指令車で、今となってはワンボックスバン型車の多い時代と異なり、極めてスマートな感がある。ルーフの回転赤色灯と2つのサイレン、ボンネットサイドのリアビューミラー、2つ目玉の前照灯など、時代を感じさせる多くの見所を持つ。
(昭和59年1月 東山消防署前で撮影)
救助工作車 イスズ フォワード 6BD1型(0881)
昭和55年12月配置。助手席扉側にセーフティウィンドウが設けられ、赤色ボディに白色ライン入り塗装である。0881は、南区の建制順の08、「80番代」は救助車の1番目を示す。吉祥院出張所は旧南消防署の本署で、戦前からの大ベテラン消防拠点だ。
(昭和58年1月11日 消防出初式参加時撮影)
WINTER 2018 > 2019/FIRE RESCUE EMS vol.83
写真・文:宮脇健氏