2023.4.7
消防救助技術大会
茨城県
FIRE REPORT
地区指導会
栃木県
FIRE REPORT #161 魅せろ!開催地の底力!
第51回消防救助技術関東地区指導会が2023年7月、茨城県と栃木県の共同開催で行われる。両県での開催は初であり、地元の消防職員が指導会にかける想いは一際熱い。今回はそんな職員にスポットを当て、指導会への意気込みや日々の準備について語ってもらった。
茨城県の水難救助対応力をより高めるために
- 取手市消防本部
取手消防署
千代 大斗消防副士長 - 第50回関東地区指導会に基本泳法で出場し、全国大会にも出場した。今年度は溺者救助でさらに上をめざす。
- 訓練で重視していることは?
- 訓練は非番や週休で行うため、疲労が残っていることもあります。けがにつながりやすい状態ですので、ウォーミングアップやクールダウンは重点的に行います。また指導会を想定し、1本目にはとくにこだわって訓練しています。
- 自分流の調整方法などは?
- ウォーミングアップの段階でその日の調子はだいたいわかりますので、悪いときにどうするか?を常に考えます。具体的にはかき数、呼吸数をカウントし、その数を良いときも悪いときも一定に保つことで、安定したタイムに近づけていきます。
- 技術向上に役立ったメソッドは?
- 自分だけで悩んでも限界がありますので、サポートしてくれる安全管理者から積極的にアドバイスをもらいます。他本部との合同訓練も刺激になります。そうやって自分になかった引き出しを増やすことが大切です。
- メンタル面を高く保つコツは?
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ネガティブな思考は極力排除し、つらいときでも「つらい」とは口に出さないようにしています。また目標は短いスパンに区切って一つずつクリアしていくようにし、そのたびに自分にご褒美をあげています。
- 関東地区指導会への意気込みを!
- 新しい種目に挑戦しますので、新しい気持ちで訓練に励みたいと思います。開催地の消防士として「チーム茨城」のプライドを胸に挑みます!
- つくば市消防本部
中央消防署
國府田 翔平消防副士長 - 第50回関東地区指導会に複合検索で出場し、全国大会にも出場した。今年度は連携が必要な他種目でさらに上をめざす。
- 訓練で重視していることは?
- 安全や確実という要素がおろそかになってしまっては本末転倒ですので、目的はあくまで救助技術の向上であるということを常に頭に置いています。
- 自分流の調整方法などは?
- けがをしないようにコンディショニングするため、ウエイトトレーニングなどの強度の高い訓練は数カ月かけて段階的に上げていくようにしています。ストレッチも同様で、そうすることで関節の可動域が広がり、靭帯や筋肉への負荷も増やすことができます。
- 技術向上に役立ったメソッドは?
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複合検索は姿勢が重要で、体の一部が常に水面に出ていなければなりません。そこで自分の訓練風景を映像に撮り、何度も見返して課題を洗い出しました。それから使う装備類の情報をいろいろな人と共有して、自分に合ったものを見つけるのも重要な作業です。
- メンタル面を高く保つコツは?
- 多くの人の協力があったうえで訓練できていますので、感謝の気持ちを忘れないことがモチベーションにつながります。自分だけでなく周りを信じ、「できる」という強い気持ちを持つことは災害時のマインドセットにも相通じることだと思います。
- 関東地区指導会への意気込みを!
- 現在、つくば市消防本部には水難救助隊がありません。関東地区指導会、さらには全国大会で実績を残すことによって、つくば市、ひいては茨城県全体の水難救助対応力向上の礎となるべく全力を傾けます!
規律と連携で昼夜を問わず研究し続ける
- 宇都宮市消防局 西消防署
鷹箸 啓太消防副士長(右)
牛久 和紀消防副士長(左) - 第50回関東地区指導会は、宇都宮市消防局におけるロープブリッジ救出では34年ぶりの出場であった(牛久/1番員・鷹箸/2番員)。今年度も同じ種目に挑戦予定。
- 訓練で重視していることは?
- 鷹箸減点行動は通常の現場活動にも関わるため、とくに厳しくチェックします。またカラビナの安全環の緩みなど、安全へのリスク要素は徹底的にテストして潰していきます。
牛久指導会まで余裕のある時期はスピード重視の訓練もしますが、本番が近づくと常に普段どおりの力を出せることを主眼に置いて訓練します。 - 自分流の調整方法などは?
- 鷹箸渡過についてはフォームができていないと限界が早くきてしまうため、さまざまな角度から映像を撮影して修正します。あとは塩分を摂りすぎると体が重く感じるので、控えるようにしています。
牛久私は身長が高い方ではなく、リーチが足りない分をどうやって補うかを研究しています。どうしても使う筋肉が偏ってしまうので、けがをしないようにケアを万全にすることも欠かせません。 - 技術向上に役立ったメソッドは?
- 鷹箸動画やデータをかなり活用しています。手前と対岸の2方向から撮影して動きをチェックするだけでなく、それぞれの動作にかかったタイムも細かく計測。数値はすべてExcelに入力し、目標の達成率まで計算して自分たちのウィークポイントとストロングポイントを洗い出して改善につなげます。
牛久自分の技術だけでは限界があるので、視察やYouTubeなどで新しい知識をインプットし、習得した技術をアウトプットできるよう日々の訓練に取り組んでいます。 - メンタル面を高く保つコツは?
- 鷹箸救助隊は厳正な規律とチームワークで成り立っています。コミュニケーションを良好に保ち、思ったことをぶつけ合えるくらいの関係を築くことが解決力につながります。また休息日をあえて設けてリフレッシュを図り、メリハリを持って訓練に向かうようにしています。
牛久災害現場がまさにそうですが、指導会でもイレギュラーが付きものです。普段から自分でルーティンを決めておくと、そうした場合にリズムが崩れてしまうので、あえて作らないでおくのも本番に強いメンタルの秘訣だと思います。 - 関東地区指導会への意気込みを!
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鷹箸地元開催ですから、やはり意地を見せたいと思います!
牛久昨年果たせなかった全国大会出場、必ずやその壁を乗り越え、雪辱を果たします。
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MIZUNOチャレンジスイマー GX・SONIC V
撥水性に優れ、軽くて動きやすいスイミングウェア。基本泳法では途中で泳法が変わり縦から横への動きになることから、スムーズに追従するものが選定基準だった。当然Fina認証。 -
AquaSphereKAYENNE レギュラーフィットゴーグル
視界がクリアに見える大きめのレンズはミラー加工が施されている。ヘッドアップの際にしっかりアピールできるよう、あえて色が派手めなモデルを選んだ。
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MIZUNOGX・SONIC HEAD
可能な限り抵抗が少ないシリコンキャップが好み。下にメッシュキャップを被ればズレも防止することができる。 -
arenaARN-4439
同じく抵抗が少ないという理由でセンターシュノーケルを選んだ。長さがあるので検索時に水面に出しやすく、排水弁のおかげで排水も楽。
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AQUALUNGSPHERA MASK
薄く抵抗が少ないのが特長。全体がクリアで視野が広い反面、レンズが凸形状で慣れるまでは距離感がつかみにくいという。 -
Water WaySpeed Fins
フィンはサイズに合わせて作るオーダーメイド。ブレードの材質は返しの強いカーボンではなくFRPを選んでいる。
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エンゼル5801
選択基準は軽量でフィットするもの。とくに結索の際に引っかからないよう踵部が薄いものが必須。ある程度履きこんで柔らかくなったものを本番で使用する。 -
北原シューズV8
ロープが滑っていく感覚が大事なので、薄手でグリップ力の高くないことが条件。これもある程度使って革が柔らかくなったものを本番用に保管しておく。
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伊藤製作所123 KA10W-S
本番では新品を使用するが、渡過の振動で安全環が緩まず、かつスムーズに回るものをテストして準備する。 -
芦森工業ハード(要救助者結索用/上)
東京製綱M(座席用/下)湿気によって長さや硬さが変わるので1cm単位で異なるものをいくつか準備。湿度計を見ながら当日使用するものを決める。
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