2016.7.11
FIRE REPORT #137 松山市消防局 ー中央消防署ー
~ 大会史上初となる四国での開催!~
多様な自然・文化・都市機能がバランスよく調和し、「多自然中枢都市」としての新たな魅力・活力の創造をめざす愛媛県。その愛媛県の北西部に位置し、瀬戸内海の温暖な気候と絶好の自然条件を備えた松山市で、四国では初となる「第45回全国消防救助技術大会」が開催されます。今回のレポートで取り上げる松山市消防局は、地元開催ということもあり、出場する全隊員が高い志と目標を掲げ、日々の訓練のみならず、メンタル面の充実・食事の栄養バランスにまでこだわり、連日士気を高めあいながら厳しい訓練に励んでいます。全国大会に向け、「心・技・体」すべてにおいて強化を図り、チーム一丸となって取り組んできた各隊の精鋭たち。来たる8月24日、各隊員たちの勇姿を見に、ぜひ松山中央公園に足をお運びください。
先進的な『技術訓練』を披露!特殊災害に対応する中央消防署
2006年4月1日に松山市消防局高度救助隊(スーパーレスキュー隊)が発隊されました。県内消防本部唯一の高度救助隊となる中央消防署救助隊は、1隊7名の2部制(計14 名)で勤務しています。
高度な救助技術を備えた高度救助隊は、大規模地震災害や土砂災害に対する高度探査装置を駆使した救助活動や化学剤、生物剤等の特殊災害への対応などのあらゆる任務を迅速に遂行するための高度な装備と技能を兼ね備えた部隊です。
第45回全国消防救助技術大会の陸上の部「技術訓練」では、「特殊環境下での救助活動」を訓練テーマに、化学物質が漏えいしたという想定で高度救助隊が訓練披露します。
震災救助訓練
震災等で倒壊した建物内の狭隘空間に取り残された要救助者を救出する訓練
倒壊建物等を想定、コンクリートを破壊し、進入及び救出ルートとなる開口部を設定するブリーチング訓練
左)設定した開口部から要救助者を救出している状況
右)都市部等において倒壊したビル等に取り残された要救助者を救出する訓練
水難救助訓練
水難現場において高度救助資機材である水中探査装置を使用しての水没者検索活動
土砂災害対応訓練
土石流等に飲み込まれた座屈建物内の要救助者を高度救助資機材を使用して検索する訓練
松山市消防局“救急”への取り組み
重篤患者に対する早期治療体制の拡充と、救急業務に携わる職員への教育体制の確立を目的に、愛媛県立中央病院に隣接する県有地を無償で借り受け、2015年10月1日より松山市救急ワークステーションの運用を開始しました。「救える命を確実に救い」、「更なる救命率の向上」をめざしています。
運用開始後は医師が同乗して出動する件数が増加し、重篤患者に対する医師による治療開始までの時間短縮が図れました。
これにより、心肺停止の患者を社会復帰まで回復させた事例や、労災事故で、機械に手を挟まれた患者を医師と救助隊との連携で病院まで搬送した事例等が報告されています。また、研修面では隊員を毎日一人派遣することで、病院内実習をはじめ、ワークステーション内研修や救急車同乗研修が中断されることなく実施され、より実効性の高い研修となっています。
【取材協力】
松山市消防局 所在地/愛媛県松山市本町6丁目6-1(中央消防署)
SUMMER 2016/FIRE RESCUE EMS vol.74