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2024.12.25

ロープレスキュー ここが知りたい!
ロープレスキュー ここが知りたい ロープレスキュー

【第22回 ロープレスキューは、次のフェーズへ】
〜連載企画 ROPE RESCUE COLUMN ロープレスキュー ここが知りたい!〜

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連載企画 ロープレスキューコラム

2024年10月、島根県益田市において、ロープレスキュー大会「SPEC×縄救2024」が開催されました。「縄救」は2016年から開催され、今回のような地方大会も含めると12回開催されてきました。日本のロープレスキューシーンにおいて、大きな進歩を感じる機会となりました。

プライベートから公的な実務へ

今回、参加した8チームのうち、7チームは所属を公表することができるチームでした。特筆すべきは、うち1チームが公務、公費での参加だったことです。
ロープレスキューをある程度たしなまれている方ならご存知、福岡県中間市消防本部は、ついにロープレスキュー大会に参加するための予算を獲得し、公的な救助隊として、消防長を伴って大会に参加しました。
(中間市消防本部については本誌次号で詳しく取り上げられる予定です)
わが国においてのロープレスキューは長らく、プライベートな活動によって支えられてきた実情があります。弊社も数多の消防職員の方々にロープレスキュー講習を行ってきましたが、その大半の方々が休日等を利用し、私費を持ち出しての受講でした。
しかし、少なくとも弊社においては、2020年ごろから公費受講者の割合が多くなり、2023年実績としては公費割合が60%を越えました。これを非常に良い兆しとして捉えていましたが、ロープレスキューの大会においても、そういった傾向が見られるようになったのは非常に喜ばしいことです。

「プライベート」では人を救えない

どれだけ優秀な消防職員が、どれだけ休日を犠牲にして、どれだけ多額のポケットマネーを持ち出したとしても、職場においてその技術が救助技術として認められ、実践できなければ、それは人命救助には結びつきません。
弊社の講習では毎回のようにお伝えしていることがあります。
「プライベートでテクニックを身につけることはとても楽しく、そして簡単です」
「一方で、それを職場(オフィシャル)で行うための根回しや、上下の世代に広めるための取り組みはとても大変で、面倒くさく、難しいです。しかし、それこそ皆さんの努めであり、職責ですよね」
ロープレスキューが熱を帯び、全国に自主勉強会・チームが乱立する現在、この事実は水を差すような話かもしれません。しかし、幸いなことに、この数年、多くの消防本部において担当者らが粉骨砕身し、公的な導入にいたったケースに携わらせていただきました。
大会やSNSのような華々しい舞台には出てこないが、彼らに匹敵するスキルを普段の当直隊で有しているところもあります。目立たないヒーローたちもいること、それにちゃんと気づいている人間がいることを、この場を借りて言明しておきたいと思います。みんなナイスだよ!一市民として、心から尊敬しています!
現在も、県下勉強会や消防学校教育への参加など、多方面でアプローチが行われており、来年はさらに多くの実が結ぶことでしょう。

結局、組織は「誰が言うか」だ

しばしば、ネガティブな意味合いで取り上げられる「誰が言うか」ですが、それを言いわけにしてはいませんか?組織、それも階級制の部隊組織において、経験が浅く、組織の仕組みも把握しておらず、階級も低い若者の意見が採用されるとしたら、それはちょっと異常だと思います。耳を傾ける、ものごとを任せるためには、その提案者の実績や信頼性というのは当然に重要です。ロープに限らず、組織において何かを成したければ、組織において尊重される人材になる、姿勢を見せるというのは避けられない過程です。
20代後半くらいになればわかると思いますが、自身より10歳くらい下の後輩(下っ端)が何か大層なことを唱えていても「まずは仕事できるようになれよ〜」とか「もうちょっと基本から勉強しようぜ〜」とかって思いません?そういうのって自分達に向けられてるそれと同じなんですよね。これが理解できてきたら明日は変わり始めると思います。
間違っても組織批判してはいけませんよ。組織から給料もらっているわけですからね。それは僕らのような外野の仕事です。

中長期で考えよう

自主訓練だと、カタログを眺めてLINEに欲しいものを打ち込んで、1週間もすればピカピカの資器材が届きます。しかし、消防組織においての物品購入となると、予算要望から始まって、約1年。車両更新時という話になると数年の話になります。物品だけではなく、訓練や部隊戦術においても当然、同じようなスケジュール感になります。
そういったなかで、日常の業務をこなしつつ、大規模災害や人事異動に翻弄されながら取り組みを続けていくのは、強い意志と努力が必要です。しかし、それをやって成果を出している人たちがたくさんいます。前述の大会の参加チームらについても同様です。
若いうちは目先の些事にとらわれがちです。すぐに燃え尽きたり、プライベートな活動にのめり込んでいく方もたくさんいます。でも長い人生、ぜひ大きな目標を持って取り組んで欲しいと思うわけです。

人命救助ツールとしての
ロープレスキュー

さて、今回の大会では多くのチームが、ロープ技術以外の面でも素晴らしい活動を見せてくれましたので紹介させてください。

ニトリル手袋を着用して観察を実施していたチーム。当たり前ですが、ロープレスキュー訓練でちゃんと実践できているかというと、そうではないと思います。

要救助者用の胴ベルトや救助用ハーネス、ヘルメットを準備していたチーム。本物の要救助者がフルハーネスを着ている可能性は低いですよね。普段の訓練で着せる前提になっていないと、現場ではできません。

要救助者の収容位置を気にするチーム。活動中に落下物や落石が起きる恐れもあります。要救助者を活動エリアの直下に置く、消防ではやりがちですが、大きなリスクがあります。自分達には手間になっても、要救助者を安全な場所に寝かせて活動する。非常に重要ですね。

ダブルチェックの徹底。5人1チームという限りのなかで、想定によっては人員配置に苦しむものもありました。しかし、3:2に分けてダブルチェック体制を確保したり、テレビ電話で隊長自身がダブルチェックを徹底したりする姿がありました。

本年3月には三重県伊勢市で「縄救2025」を開催予定です。きっとここでも素晴らしい活動が見られることでしょう。今年も、ロープレスキュー飛躍の年となるように頑張っていきましょう。

大西 隆介(おおにし りゅうすけ)

大学時代に公共政策を学び、山岳部などの経験からロープレスキューの世界へ。日本の労働安全法令を踏まえつつ消防組織に適した救助技術を研究している。救助大会「縄救」などのイベントも主宰。通称「ジミーちゃん」

office-R2 ロープレスキュー講習主に10.5mm〜11mmのロープ資器材を用い、国内法令に準拠しつつ、現場に即した技術を重視。高所作業や競技の技術ではなく、消防活動におけるベストを提案する講習。レベル1〜2では「ロープ高所作業」「フルハーネス」の特別教育修了証が交付される。講習などの情報はHP、Facebook、Instagramなどで随時更新。

お問い合わせ090-3989-8502

ホームページ
https://r2roperescueropeacce.wixsite.com/office-r2

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