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2017.4.3

消防本部・消防署
FIRE REPORT 宮城県 災害 仙台市

FIRE REPORT #139 仙台市消防局 乗り越えたその先を見すえて

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仙台市は、1601年に伊達政宗公が開府して以来、
東北地方の経済・行政・文化の中心として発展してきました。
仙台市を代表する青葉山や広瀬川河畔の緑と、市街地のけやき並木が一体と
なって街を包んでいることから、いつしか「杜の都」と呼ばれるようになりました。
仙台市消防局の組織体制は平成29年4月1日現在、消防局3部8課、6消防署、
3消防分署、17消防出張所の構成となっており、配置車両228台、
ヘリコプター2機体制で108万仙台市民の安全・安心を担っています。

被害状況

平成23年3月11日に発生した東日本大震災が、東北地方を中心に多くの犠牲・被害を出したことは記憶に新しいところです。仙台市においても今までに経験のないM9.0の激震により、内陸部では丘陵地区等において地割れや地盤崩落による住宅等の被害が発生し、沿岸部では襲来した巨大津波によって多くの人々の命が奪われ、広範な浸水域と大量の瓦礫により消防活動は困難を極めました。

津波によって浸水し、瓦礫に埋まった東部沿岸地域

活動状況

鳴り止まない119番、瓦礫と海水に阻まれ現場まで到達できない状況に、無力感と焦燥感ばかりが募りました。そうした状況下においても、職員一人ひとりがそれぞれの立場で今自分にできることに全力で取り組みました。
また、津波被災地域では多くの住民が学校等の屋上に避難したため、航空隊による救助活動が展開されました。

浸水区域の検索活動

航空隊による救助活動

緊急消防援助隊の活動

仙台市では宮城県に対して当日の15時30分に緊急消防援助隊を要請。仙台市への応援隊として神奈川、三重、島根、熊本の4県隊が駆けつけ、津波被災地域において検索活動が実施され、あわせてコンビナート地区の火災及び危険物漏洩など、特殊事案への対応も行われました。
また、航空部隊として東京消防庁、札幌市消防局、北九州市消防局の各消防ヘリコプターによる救助活動、情報収集活動も展開されました。

沿岸部高速道路上に集結した緊急消防援助隊

危険物漏洩対応(三重県隊)

金属片火災対応(熊本県隊)
消防力の再整備と部隊運用の強化
巨大津波によって壊滅的な被害を受けた東部沿岸地域は集団防災移転を余儀なくされ、また、地下鉄東西線の開業による人口・産業の集積変動や被災消防施設の再整備も相まって、平成29年4月に六郷分署が開署しました。同分署には警防隊、救急隊のほか特別機動救助隊が配置され、重機や水難救助車等により、大規模震災や水難対応部隊としての位置付けで運用が行われます。

六郷分署完成図

震災時の支援に対する感謝、未来を切り開く仙台・宮城

東日本大震災の発生から6年、仙台市では5年を計画期間とした震災復興計画「100万人の復興プロジェクト」を基に、スピーディーにかつ確実に事業を進めました。ピーク時には1,364世帯が入居していたプレハブ仮設住宅も平成28年10月にはその役目を終え、被災した沿岸地域の海岸公園の使用を再開するなど、着実に復旧・復興が進んでいる状況です。
こうした状況のなか、平成29年8月に「震災時の支援に対する感謝」と「震災を乗り越え未来を切り開く仙台・宮城の姿」を発信することを開催趣旨とした第46回全国消防救助技術大会が開催されます。

第46回全国消防救助技術大会
開催日時:平成29年8月23日(水) 9:00〜16:00
場  所:宮城県総合運動公園グランディ21(宮城県宮城郡利府町)

全国消防救助技術大会は市民の安全・安心を守る全国の消防救助隊員が一堂に会し、競い、学ぶことを通じて他の模範となる隊員を育成し、全国市民の消防に寄せる期待に力強く応えることを目的としています。大会には「陸上の部」と「水上の部」があり、全国各地の予選を勝ち抜いた精鋭約1,000名の隊員が日ごろ鍛え抜いた救助技術を披露します。
第46回大会は「仙台・宮城大会」と称し、東日本大震災以降初の東北地方での開催となります。

※写真は第45回全国消防救助技術大会(松山)の様子

第46回全国消防救助技術大会のスローガンは消防救助の基本中の基本である結索(ロープ結びのこと)の結(ゆい)の字に、人と人、心と心の結びつきを大切にしていくという想いを込め、さらには「震災時の支援に対する感謝」、「未来を切り開く仙台・宮城の姿」を発信するという本大会のコンセプトを表現しています。

【取材協力】
仙台市消防局
所在地/仙台市青葉区堤通雨宮町2-15


SPRING 2017/FIRE RESCUE EMS vol.77

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