2016.7.11
松山市消防局の緊急車両
MATSUYAMA CITY FIRE DEPARTMENT EMERGENCY VEHICLE
愛媛県の中央に位置し、人口50万人を超える中核都市としてめまぐるしい発展をとげている松山市。その市民の安全・安心を守るため、松山市消防局は消防局及び4消防署、5支署、2出張所及び96台の消防車両等を配備。400人を超える職員がそれらを駆使し、日夜業務にあたっています。ここでは一部ですが、同市の代表的な消防車両を紹介します。
拠点機能形成車
東日本大震災の教訓から、総務省消防庁より平成26年4月に西消防署に配備されました。大規模災害等における後方支援を強化させるために開発された車両には、100名分の長期活動を可能にするエアーテント4式・発動発電機4台・冷暖房機各8機・簡易トイレ10セット・組立式シャワー2セット・調理器具2セット・浄水器1器・情報通信機器が搭載されています。また、車両側面をスライドさせれば広さ約40㎡の空間を確保でき、休憩所や指揮本部を設営できます。
送水車
日野自動車社製大型ダンプシャーシをベースに、送水装置と三つ折り式ラジコン対応クレーンを装備した車両で、総務省消防庁より平成24年9月に西消防署に配備されました。送水能力は毎分4,000ℓ、最大深度50mの高落差から水を汲み上げることができます。また、海水利用のほかにも大雨や洪水によって浸水された場所では排水作業車両としても活用できます。全国では12の消防本部で配備されていますが、四国では松山市が初めてとなっています。
ホース延長車
日野自動車社製消防専用シャーシをベースに、コンテナ着脱装置を備えた車両で総務省消防庁より平成24年9月に西消防署に配備されました。車両後部のホース延長コンテナには約2,000m分のホースが2分割して収納してあるほか、収納時に使用するホースの回収装置も装備しています。また、車両左右にある機材収納ボックスにはホースブリッジや各種分岐金具が収納され、あらゆる状況においても本来のパフォーマンスを発揮できるようになっています。送水車もこのホース延長車もそうですが、松山の多くの消防車両ボディには市花の「つばき」と「松山城」が描かれています。
特殊災害資機材車
緊急消防援助隊設備整備費補助金より平成21年11月に中央消防署に配備されました。特殊災害とは放射性物質・化学剤などの漏洩・飛散・流出による災害で、いわゆるNBC災害を指します。1995年の地下鉄サリン事件以降、各地の消防機関に配備されました。
救助工作車Ⅲ型
緊急消防援助隊設備整備費補助金より平成20年12月に中央消防署に配備されました。政令指定都市の特別高度救助隊、中核市に配備されている高度救助隊が運用しており、クレーン・照明装置・ウインチ・通常の資器材等の他に高度救助資器材を搭載しています。
救助工作車Ⅱ型
石油貯蔵施設立地対策等交付金より平成17年1月に東消防署に配備されました。4t〜10t級の車両、ポンプや水槽を搭載した車両まで様々なタイプが存在し、その土地の特徴に合わせて活用されています。全国の専任救助隊・兼任救助隊に配備されています。
AUTUMN 2016/FIRE RESCUE EMS vol.74