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2018.1.15

消防車両紹介
消防車両 歴史 京都市

消防の歴史を築いた懐かしの消防車両

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SPECIAL ISSUE CLASSIC FIRE ENGINE by KYOTO CITY FIRE DEPARTMENT

日本の消防車両は自治体消防発足以降、徐々にその台数やバリエーションが拡充していった。今日では多種多様な消防車両が人々の安全で安心な生活を守っているが、そのラインナップの原型が確立したのも自治体消防発足前後の時期といえる。しかし、消防史に残る当時の車両たちの姿は、今となってはなかなか目にすることはできない。ここでは京都市消防局に配備されていた車両を通し、消防車両の歴史を見ていこう。

東山消防署(本署) 第2小隊


普通ポンプ車 FH60型(0502)

ニッサン ファイア・パトロール 4×4

普通ポンプ車 FH60型

昭和55年配置。日本各地で使われていた有名な消防車。キャビンに扉はなく、特徴はフロントウィンドウ下のスカットルに2カ所のベンチレーターが設けてあること。フロントバンパー中央部にエンジンスターティングハンドルの差込口がセットされているのと、ワイヤー用のフックが備わっている。長尺吸水管とホースバッグ(黄色部分)には、65ミリメートルホース2本が納まっている。吸水管先端の泥除け横に見えている曲がりのついたノズルは、長柄の先端部が回転する噴霧放水用の「ロータリー・ノズル」。これは第二次世界大戦中のアメリカ海軍航空母艦への着艦失敗時、艦載機出火の際に使われていた放水器具の改良型で、昭和30年ごろから積載されていた。車両出火時の消火の際などに効果が大きいものであった。車体横の箱型ケース内には150メガサイクル用無線受送話器がセットしてある。後部デッキにはバッテリー電動式のホースカートが65ミリメートルホース10本と分岐金具、その上に置かれたケースには手巻ホース2本、放水ノズル、防水シートが常備されている。放水活動時の自動計測計は、京都市消防局の村井消防司令長の長年の研究開発で実現したものである。(泉涌寺消防出張所前で撮影)

東山消防署(本署) 第2小隊


33メートルはしご車(0552)

三菱フソウ FT後期型(1扉 ダブルキャビン)/モリタ スカイリフト ーポンプ装置付

33メートルはしご車

昭和58年7月に当署第2代目大型はしご車として配置された。「0552」の「05」とは京都市消防局で行政区の建制順で5番目、続く「5」ははしご車の区分で、最後の「2」はもう1台の15メートルはしご車「0551」との区別を表している。区内北部に高層住宅があるため配置された。(昭和59年1月 東山消防署前で撮影)

東山消防署(本署) 第1小隊


普通ポンプ車(0501)

ニッサン ディーゼル・コンドルCK20後期型

普通ポンプ車

ブラックマスクのフロント。昭和57年11月配置。排気ガス規制適合車で、CD-Ⅱタイプ。「0501」の下二桁「01」はポンプ車(1~19)を指し、東山消防署の1両目の普通ポンプ車であることを意味する。東山区は面積が小さく、かつ人口が最少ではあるものの、東山連山の西側はゆるい斜面地で、祇園などの繁華街や多数の文化財社寺・観光地が連なる地区である。さらに、木造住宅が多く、高齢化の住民多数といった消防課題もある。(東山消防署前で撮影)


WINTER 2018/FIRE RESCUE EMS vol.80
写真・文:宮脇健氏

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