2021.6.25
FIRE REPORT #158 ハワイ州オアフ島 ホノルル消防局 ハウウラ消防署
私はオアフ島の北東側に位置するステーション#15、Hau’ula(ハウウラ)消防署に駐在しています。ホノルル消防局には現在43の消防署があり、署のナンバーは建設された順に振られています。私たちの消防署は15番目。最近、利便を図り移転と建て替えを行いました。
小さいころから消防士の活動をよく見ており、ずっと消防士になりたいと思っていました。高校生の時分、山上で骨折した父を助けてもらった経験もあります。彼らが人々を助けることに人生を捧げていることに私は本当に感銘を受けました。
19歳のときに火災科学専攻の学位をとるために大学へ行きました。2003年にマウイ消防局、2004年にホノルル消防局に配属され、現在はホノルルのハウウラ消防署でタンカーを運転しています。タンカーは1,800ガロンの水を運ぶ巨大な消防車両で重量は22トン。放水活動や給水時に出動します。
日本の消防士と非常によく似ています。火災、自動車事故、海上救助、山岳救助、調査、検査、およびすべての救急出動に対応します。ほかには緊急時の洪水、屋根の吹き飛ばし、倒木などの復旧支援を行っています。
ハウウラは農村地域と言っていいでしょう。美しい山々や海に近接していますが、そのため私たちは海上救助や山岳救助をとてもたくさん行っています。また、私たちが市街地からはるかに離れた田舎にいるということは、限られた支援、資器材ですべてを行うことができなければならないということです。つい最近発生した大洪水では、浸水した家屋内の水を吸い上げる必要があり、私たちはポンプ車でそれを実行しました。
救急出動の際は、より多くのものを身につけるようになりました。ゴーグル、フェイスシールド、ガウン、マスク、メディカルジャケットなどです。また、スプレー式除菌器、機器を除菌するためのUV照射器、呼吸器などの医療機器も与えられました。
感染症対応装備3種
主にトラックの消毒に使用
911への電話にオペレーターが「これは緊急事態ですか?」と尋ね、警察、救急、消防のいずれを希望するかを聞き、適切な機関に転送します。現在、インターネットアプリケーションやテキストメッセンジャーなどによる911は運用されていませんが、コンピュータ支援型の派遣CADシステムを使っています。これは、各機関に繋げるまでの間の適切な対応処理をオペレーターが遂行するのをサポートします。ただ、現状課題としては救急出動に対応するための救急車が足りていません。そのため、私たち消防士が先に現場到着し、救急隊が患者を搬送するまでの間、助けを求めるすべての人に応えられるようにしなければなりません。
オフの日は家族や友人と釣りやダイビングを楽しんでいます。もし仲間に会えば、必ず手を振ったり、シャカを上げたりして挨拶を交わします。「消防士であること」は勤務内外問わず、生活の一部となっており、人々や地域社会を助けることを忘れたことはありません。
消防士であることの絶対的な意義は、人々を助け、命と財産を救うことです。これがすべてと言っていいかもしれません。そして最大の困難は、彼らを救えなかった現実に対峙する場面があることです。
私にインタビューをしてくれてありがとう。本当に光栄に思います。私にとって消防士は人生の一部であり、生きざまであると感じます。勤務中、勤務外に関わらず人を助ける任務は天職です。消防士である私たちは家族、兄弟の一員です。私は日本を含め、世界中をたくさん旅して多くの消防士に出会ってきました。装備は異なれど、私たちの心、そして魂は同じです。
ジョー・ワダハラより
April,2021