2018.3.26
緊急取材!第32回警視庁機動隊対抗レスキュー競技大会
警視庁警備部の各機動隊に設けられた機動救助隊、通称 『R110』。
大規模災害や突発事故の際に迅速な救助活動を期待される彼らが晩秋の快晴の下で日ごろの訓練の成果を競い合った。
警視庁の各機動隊(第一~第九・特科車両隊)に設けられた兼任部隊で、大規模災害や突発事故の際に出動し、救助活動を行う。近年では広域緊急援助隊として遠方の被災地に派遣される機会も増えた。通称「レスキュー110」。グリーン基調の車両に黒豹がトレードマーク。
警視庁機動隊対抗レスキュー競技大会は、警視庁機動救助隊の各隊から選抜された選手が参加し、日ごろ培ったその救助技術のスピードや正確さを競い合う競技会。32回目の今回は2017年11月29日に立川総合警備訓練場を会場として、下田警備部長列席のもとで開催された。
時代とともに変化する災害への実践的な対応力を磨く目的で、競技種目は年によって変更またはアレンジがくわえられる。今回は「登はん」「渡橋」「工作資機材操作」「重機操作」の4つの種目で構成。それぞれの種目で明確に順位づけがなされるため、各隊17名ずつ計170名の出場選手は、隊の代表として持てる技術と力を振り絞って競技に臨む。
リレー形式の対抗戦ということもあり、出場選手だけでなく応援する側も力が入り、大きな声援がこだまする見応えのある大会となった。
高さ17.55メートルの建物壁面をロープを使用したフットロックにて登る速さを競う。屋上に到達後、選手はさらに4メートル先にある柵にタッチすることでゴール。今回、18年ぶりに復活したハードな競技であり、選手たちは己の身体能力の限界に挑戦していた。
フットロック登はんは、まずロープを足に絡ませて姿勢を作り、そこを足がかりに登り始める。下でロープを引いてロックを補助する者、上から引き上げる者、3名の呼吸を合わせることも重要なポイント。
常駐警備車の間に張られたロープを使用して往復する競技。ロープの白い部分にタッチすることでターン、もしくは次選手との交代が認められる。青空をバックに、鮮やかなユニフォームに身を包んだ選手たちが一斉に渡り始める光景は圧巻。
往路はモンキー、復路はセーラーと、異なる方法で渡る。ターンの技術がタイム短縮に直結する。
チェーンソーやエアソーなど走者ごとに決められた機材を使い、与えられた課題をクリアしていく。機材操作だけでなく、要救助者に見立てたダミーを担架で運ぶといった、連携プレーの良し悪しも試される競技であり、選手間で交わされる声も自然と大きくなる。
機材にトラブルが発生して使用不能になったときは手工具を使って課題をクリアしなければならない。こうした状況は実際の災害現場でも起こりうるという想定でのルール。
29回大会から始まった新しい種目で、災害用のパワーショベルを使い、つかみ操作で障害物を指定の方法で移動させる。要救助者の安全確保が重要な災害現場で使用されるだけに、慎重な操作が求められるデリケートな作業がメニューに組み込まれていた。
選手は反復跳びを10回行ない、体に負荷をかけた後にパワーショベルに乗り込む。
総合1位は特科車両隊
第32回大会の総合一位は4種目中2種目で一位を獲得した特科車両隊。大会終了後には胴上げで健闘をたたえ合った。