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2024.1.5

消防学校
FIRE REPORT 鳥取県 消防人 鳥取県消防学校

FIRE REPORT #164 我ら生涯消防人 第9巡「鳥取県消防学校」

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巡報、若き精鋭たちの育成を担う全国の消防学校 我ら生涯消防人 第9巡、鳥取県消防学校
巡報、若き精鋭たちの育成を担う全国の消防学校 我ら生涯消防人 第9巡、鳥取県消防学校

鳥取県消防学校

鳥取県米子市流通町1350 
鳥取県消防学校ホームページはこちら

鳥取県内の消防は3本部(鳥取県西部広域行政管理組合消防局、鳥取県東部広域行政管理組合消防局、鳥取中部ふるさと広域連合消防局)27署体制であり、採用された新人消防職員はすべてここで初任教育を受ける。昭和58年開校、敷地面積30,112㎡、令和5年度に入校した初任総合教育第8期生は14名。

全国的にも早い段階から導入された実火災体験型訓練施設は平成24年度の導入。リクルートをおもな目的としたオープンキャンパスでも使われた。

ナイロンロープだけでなく、初任科の段階では通常あまり教育されないカーマントルロープ(ザイル)についても体験として触れさせる。

少数ゆえの団結力で、
与えられた課題を
乗り越えていく

事前に教官から与えられた想定に沿って訓練を行う初任科学生たち。取材時はすでに入校から半年を経ているということもあり、学生同士で声をかけ合いながら能動的に訓練を進める様子が見られた。大都市圏の消防学校に比べて少ない学生数であるため、学生同士の団結が強いと、みな口々に語る。

事前に与えられた各隊への状況、指揮にしたがって、装備着装しポンプ車で出場、水利部署から消火活動までを一連の流れで訓練。基本的な動きは学生に委ねられている。

ポイントポイントで教官の厳しいチェックやサポートが入る。学生同士も大声で確認を徹底。

状況終了後、各学生が振り返りを発表。それについて教官がアドバイスを与える。

初任科学生、同期への想い

鳥取県消防学校のユニークな取り組みの一つがオープンキャンパス。消防職員に興味があったり受験を考えている若年層の一般市民を対象に参加を募り、さまざまな見学・体験を通じて採用活動の一助にする試みで、毎年開催されている。
令和5年度は当日の進行だけでなく、企画段階から学生中心の運営となり、参加者の募集についても学生が担った。県内の高校や専門学校、大学などに自らアポイントをとり、訪問して広報活動を展開したという。
その成果か、8月4日に開催された当日には28名の参加があり、事前にシミュレーションを重ねて受け入れ態勢を整えてきた学生たちにとっても非常に有意義なオープンキャンパスとなった。

実火災体験型訓練施設では、参加者は防火衣を着装して中に入り、火の回り方などを体験した。

空気呼吸器着装、ドローン操縦、VRを利用した擬似火災体験など、参加者が楽しみながらいろいろな体験ができるように学生たちは知恵を絞った。

アテンドをする学生のなかには、過去に開催されたオープンキャンパスへの参加経験者も。

学生手作りのチラシ。

参加者にふるまう「消防カレー」を煮込む学生。昼食を挟んで午前と午後の2部制で開催された。

晴れた日には消防学校からも、その美しい山体を望むことができる大山(標高1,729m)は、中国地方最高峰として知られ、登山者にも人気がある。
大山登山訓練は学校から麓の宿泊所まで約15kmの道のりをランニングし、翌日の午前中に登頂、下山後は同じくランニングで学校まで戻ってくるというハードメニューであり、鳥取県消防学校初任科学生に課される恒例の行事となっている。令和5年度も8月31日から2日間の日程で実施され、一人の脱落者も出すことなく全員無事踏破した。

往路は途中から基本的に上り坂となる。安全確保のため、3kmごとにチェックポイントを設置。登山当日は残念ながらガスに包まれ、眺望は楽しめなかった。

無事ゴールを果たした学生たち。もちろん教官も全行程を同行した。

私が教官となって3年目。1年目の初任科学生は24名、次が18名、そして14名と年ごとに学生数が減っています。学生が少ないと教官の目が届きやすく、密度の濃い教育ができる反面、複数隊の連携が重要な中隊活動の訓練や訓練礼式などはやりにくい場面もあり、工夫が必要になってきます。これは地方消防の課題だと思います。
私の教官としてのモットーはメリハリです。締めるときは締めますし、リラックスするときは一緒に雑談にも加わります。初任教育は期間が長いので、いい意味でも悪い意味でもお互いに馴れが出てくるタイミングがあります。悪い馴れが見られたときはグッと締める。大山登山やオープンキャンパスなどの節目の行事はその引き締めにも役立っていると思いますし、それらを経験することで学生同士のチームワークも一段と向上するのを実感します。
最近の学生は真面目で自分の考えをしっかり持って行動できる印象があります。彼らが所属に戻ったあとも切磋琢磨を続け、いずれ私たち教官を超えるような人材に成長することを楽しみにしています。

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