公開日 2026.4.13
FIRE REPORT #171 地域防災の要、消防団 その充実強化と活性化へ
広島市消防局消防団室
災害の大規模化・多様化のなかで、消防団に期待されるニーズも変化を見せてきた。同時に、少子高齢化をはじめとする近年の社会情勢における団員確保は全国的な課題となっている。人口117万人を超える政令指定都市である広島市においてもその課題は変わりなく、団員の減少傾向は続く。これら課題に対し、消防局・消防団が進めている取り組みについて紹介する。
広島市消防団の概要(各行政区に1消防団の計8団)(令和7年4月1日現在)
| 分団数 | 定員 | 実員 (うち女性) |
差 | 充足率 | 平均年齢 | |
| 84 | 2,753人 | 2,368 (148)人 |
△385人 | 86.0% | 男性/ 49.4歳 |
女性/ 48.3歳 |
広島市消防団
活性化計画の推進
広島市消防団では、その課題と解決に向けた方向性を定めた「広島市消防団活性化計画」を2014年に策定。さらに2024年にはそれまでの各種事業効果の検証を実施し、計画の見直しをおこなった。現在、広島市における消防団に関するさまざまな施策は、この活性化計画に基づいて進められている。


広島市消防局消防団室。各署にも消防団担当職員が配置され、日ごろから緊密な連携がはかられている
広島市消防団活性化計画
事業・取り組み一覧
広島市消防団
マスコットキャラクター
ひろピー



消防団サポーターの登録促進
広島市内に居住・通学する大学生等を対象に、消防団員の支援活動に参加できるようにする制度。消防団活動への理解を深めてもらい、将来の入団促進につながる取り組みとして、大学訪問などで登録促進をはかっている。

小学生等への防火防災教育の実施
消防団と小学校等が連携し、小学校の授業において、消防団についての単元があることから、消防団の紹介や車両・資器材の展示を実施し、児童等の防火防災意識の向上をはかっている。

行政だけでは推進できない
消防団の課題解決

広島市消防局 消防団室
濱本 正之 主任
災害の規模が大きくなればなるほど「要員動員力・即時対応力・地域密着性」を備えた消防団の力は重要になります
ので、一人でも多くの方に入団してほしいと思っています。そのため、『まずは知ってもらうこと』が第一歩ですので、SNSや広島市消防団マスコットキャラクターの活用や地域イベントへの参加、施設・学校訪問などに取り組んでいます。また、近年では、消防団の地域での存在感を向上させるため、広島市内の各学区で設立が進んでいる広島型地域運営組織(ひろしまLMO)との連携も進めています。こうした取り組みが、地域のために活動している消防団の活動を身近で見てもらうことにつながり、消防団に興味を持つ人が増えるきっかけになればと思っています。また、入団に不安のある方のために体験入団制度を設けていますので、気軽にお問い合わせいただけたらうれしいです。
広島市消防団の
多様な活動
地域貢献活動
消防団と地域との連携を強化することを目的とした「地域貢献制度」により、地域行事等を積極的に支援。コミュニティとの関係性強化をはかる。

とんど(正月飾りを燃やす行事)の火災警戒

元安川ボランティア清掃

盆踊り大会の櫓の設置支援
消防局との連携
各分団と消防局の各隊をペア指定し、定期的な「ペア訓練」を実施。相互の連携と能力向上だけでなく、団員のモチベーションアップにもつながっている。



訓練を通じ、日ごろから顔の見える関係を構築することで災害対応力も向上する
大規模災害対応
「平成26年8月豪雨」と「平成30年7月豪雨」と2度の大きな災害を経験した広島市では、消防団も長期にわたり活動をおこなった。現在では当時の活動状況やその後の対応などについて消防団の幹部研修として他都市からの視察を受け入れている。
【大規模災害における広島市消防団の活動】
| 大規模災害 | 期間 | 延べ人数 | 活動内容 |
| 平成26年8月 豪雨 |
8/20〜9/30 (42日間) |
4,717人 | 救助・捜索・避難所の 支援など |
| 平成30年7月 豪雨 |
7/6〜11/1 (87日間) |
7,632人 | 救助・捜索活動や地域の復旧活動のほか、避難所における運営支援活動など |

平成30年西日本豪雨被災地での活動の様子
活躍しています!女性消防団長!

広島市西消防団 神村 登紀恵 団長
1996年に入団以来、消防団員として活動し、2025年に広島市西消防団長となった。総務省消防庁消防団等充実強化アドバイザーも務める。
所有資格/応急手当指導員、防災士
消防団活動に携わろうと思った理由は?
当時の副団長に同じ町内会で、「ともに地域貢献をしよう」と声をかけられたのがきっかけです。
女性消防団員に特有の課題はありますか?
私の入団当時は“男性の活躍する場”というイメージが強かったのですが、時代の変化で現在は同じ仲間として活動できるようになっています。ただし、女性消防団員は増加しているものの、フルタイムで働く女性が増え、消防団行事への参加が難しくなっている部分はあると思います。
女性消防団員ならではのメリットは?
広島市消防団に所属する女性消防団は事務局に属して いるため、さまざまな地域団体の代表者との交流を通じて 地域に何が必要か知ることができました。その結果、団長と なった現在では円滑な消防団運営につなげられています。
消防団活動における目標はありますか?
以前は火事を消すことがおもな目的の組織でしたが、災害の複雑化により消防団活動も多様性が求められています。さらに全国的な団員数の減少も大きな課題です。そのため、消防団員一人ひとりが現場活動だけでなく広報活動も重要であると認識し、安全で安心できる地域社会を築く手助けができるようにならなければなりません。私の居住地域では、社会福祉協議会のなかに防災部を設け、それを中心として小学生を対象とした防災キャンプや防災フェアに取り組むことで地域全体の防災力向上に努めるとともに、消防団活動のPRもおこなっています。また、総務省消防庁の消防団員等充実強化アドバイザーとしての活動を通じて、全国各地の消防団の活動や理念等について情報交換をし、消防団運営に活かしています。
































