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2016.4.12

海外消防
消防車両 FIRE REPORT 消防車 パリ消防局

FIRE REPORT #136 パリ消防局 PART2

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PART2
パリ消防局の隊員・車両紹介

Brigade des sapeurs-pompiers de Paris(パート1はこちら

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相次ぐテロにより未だかつてない非常事態が続くフランス。今回は暗いニュースが続く今だからこそ知ってもらいたい、普段メディアでは取り上げられないありのままのパリ消防局(仏:Brigade de sapeurs-pompiers de Paris(BSPP))を情報とともにご紹介します。

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左のパリ消防局のロゴは、フランスの首都パリの象徴的な名所であるエッフェル塔とパリ消防局のヘルメット(MSA GALLET F1)、そして、フランスの国旗に使われているトリコロールカラーの3色(青は自由、白は平等、赤は友愛)を表す。

GALLET(ガレ) F1ヘルメットが象徴的なパリ消防局の消防士たち

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パリ消防局のトレードマークであるヘルメット(MSA GALLET F1)は世界的に有名。

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消防士とレスキュー隊が使用するヘルメットF2 X-TREM。森林火災用にも使う。快適さ、軽さと通気性。壊れたときに取り外し可能なメガネは飛沫に対する保護性能がある。シェル耐ノイズバリア面(ポリカーボネートまたはグリッド)は首のPVCを保護する。
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パリ消防局の消防士たちの平均年齢は26歳。40歳くらいで退職し、別の仕事をしたり、パリ以外のフランス国内で消防士や警備の仕事に再就職するようだ。消防署に出勤後、毎朝、体力検定があるため、日ごろの体調維持と自己管理には特に気を遣っている。
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パリの消防救急隊。白い円筒状の物は酸素ボンベ。同時多発テロでは、同じストレッチャーで血まみれの傷病者を何人も搬送するため、布担架よりもバスケットストレッチャーやバックボードなど、血をアルコールで拭き取って感染予防殺菌できる素材を使った担架が多く使われた。布担架は手術用シーツを使わない限り、1台1人しか使えない。

配備車両ライブラリー

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日本では消防設備の充実と内装の防炎化により、建物火災件数が大幅に減ったが、フランスでは築200年以上の歴史的建造物がほとんどで、消防設備を十分に設置できないところが多く、はしご車の需要は、まだあるようだ。

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ナンバープレートにあるVSAVは救急救助車という意味。交通事故のレスキュー機材や救急資機材が車載してある。

災害連絡車は災害時の資機材搬送、火災調査班や各所間の事務連絡などに使う。

プロテクションシビル(国民保護隊)の救急搬送車両。撮影当日はクリスマスマーケットのテロ警備に当たっていた。車内には搬送用の救急装備を積載している。

現場指揮車の旧型。新しいタイプは車内がデジタル化されている。

paris139_11フランスの消防車は、狭い道を通ることも多いため、日本の消防車と大きさがほぼ同じ。

都を流れるセーヌ川の水上を守る任務

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セーヌ川沿いにある水上消防署で行われていた訓練。水上消防署の消防士たちは、水難救助・救急・消火活動などが主な任務。水深は満潮時で平均10m、12月の水温は摂氏8度。水温が摂氏2度近くになっても水難救助訓練はほぼ毎日行われるそうだ。救急事案で多いのは遊覧フェリー上や橋からの転落だそうだ。

〔フランス海軍所属の消防章〕
アンティークだが、デザインがおしゃれ。ちなみに「パリ市消防局」と訳されることもあるが、あくまでフランス軍に所属する消防工兵部隊。

 

フランス独自の救急医療組織 SAMU(サミュ) & SMUR(スミュール)

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「SAMU54」など、SAMUのあとに付いている番号でどのエリアが担当の救急車かがわかる。

SAMUは山岳救急、列車救急など山間部で起こった救急事案にはヘリコプターで出動する。高度は気圧が変わるため、供給酸素量の調節や輸液の点滴調整も慎重に行われる。

SMURのドクターカー。まずは、現場に医者が駆けつけ、必要な処置が終わり、搬送が必要な場合にのみ救急車が要請される。

SAMU(緊急医療援助組織:サミュ)
日本における119番に相当する救急専用の電話番号15番に掛かってきた通報を処理し、適切にトリアージする役割を負う救急医療の中枢組織である。医学知識のあるオペレータが受信し、医師もコールセンターに常駐していて、トリアージ(救急車の必要性を判断)する。通報受信時から、すべて医師による判断が行われるためか、救急搬送が必要と判断されるケースはわずか10%しかない。基本的には県に1か所のみ設置されている。なお、火災や交通事故、救助事案などは、消防組織に繋がる電話番号18番に掛ける。
SMUR( 救急機動組織:スミュール)
公立または私立病院の救急部門に所属しており、SAMUからの要請を受け現場へ向かい処置を行う実動部隊である。医師が救急車に同乗し、患者と接触と同時に医療行為が開始される。同時に医師が患者にとって一番ふさわしい病院を探す。コールセンターでは、パリ市内の病院の空床状況、専門医の勤務状況をリアルタイムで把握している。したがって「たらい回し」はおこらない。

 

FIRE REPORT ♯139を、12枚のスライドギャラリーにまとめました。
下部バーをクリックしてご覧ください。

FIRE REPORT 139 paris 11
SAMUの指令センター。医者が通報電話を受け付け、判断し、救急車を出動させる。
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Text by 一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事 サニー カミヤ
(日本防災教育訓練センターへのリンクはこちら)
Photos by Getty Images/AP

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